大河原学院長はかねてから「学生、生徒、教職員が一体となった国際貢献、社会奉仕はできないものか」と考えていました。
学院長はたまたま、天皇陛下(当時皇太子さま)のご著書『テムズとともに-英国の二年間』を読む機会に恵まれました。天皇陛下がかつて皇太子時代にイギリス・オックスフォード大学のマートン・カレッジの大学院に留学されたときのことを綴られたものですが、この中に同校で行われているブラウン・ライス・ウィーク(玄米週間)のことが紹介されていました。一週間にわたって、夕食のときにブラウン・ライス(玄米)のみが提供され、通常の費用との差額をアフリカの飢饉にあえぐ人々や難民救済への資金に充てるというものです。世界にはまだまだ飢えている多くの人々がいることを理解するとともに、奉仕の精神を学ぶシステムであり、学院長は深い感銘を受けました。
2009年8月8日、本学院は天皇陛下(当時皇太子さま)の行啓という栄光に浴しました。(写真=上)天皇陛下(当時皇太子さま)とご説明役を務めた学院長とのお話の中で、このオックスフォードのブラウン・ライス・ウィークが話題となり、天皇陛下(当時皇太子さま)はとてもお喜びになられ、学院長も「われわれも、天皇陛下(当時皇太子さま)のご体験を参考にして何か行いたいと思っています」とお答えしました。そして2010年5月、大学、短期大学部、附属中学校・高等学校の食堂で「MUKOGAWA BrownRice Week(武庫川学院ブラウン・ライス・ウィーク)」がスタートしました。かねてからの学院長の思いと天皇陛下(当時皇太子さま)との“約束”が誕生のきっかけであり、人のために尽くす真心を育んで欲しいとの願いが込められています。